第198回 スパイク by泉佐野のアニキ

 えらい休んでもうたぁ〜みなさん申し訳ございません。2009年12月4日にスタートした当コラムですが、今年の8月16日まで何とか194週連続更新を続けてきました。しかし、ネタ不足と本業の忙しさに負けてしまい連続更新を途絶えさせてしまいました。

 これからは、ボチボチと書いていきたいと思いますので暇な時に覗いてやってください。おそらく、岬のおっさんも男の料理レシピなど、何かネタくりをしてくれているはずです。きっと…

 さて、今回はスパイクのエピソードです。

 ラガーにとってスパイクは、唯一の商売道具ではないのでしょうか?初めて買ってもらったスパイクは高校1年生の4月。格安新入部員セットの固定式スパイクで、部内では「ゴムスパ」と呼ばれていました。純白の薄いペラペラジャージ、ラグパン、ストッキングとセットになって手元に届いた。めっちゃシンプルなデザインで靴紐も黒色、「なんかカッコ悪いなぁ〜」と思った記憶が今も残っています。

 ゴールデンウィーク明けぐらいから試合に出る機会が増えてきました。先輩から「フォワードはアルミポイントの方がええぞ」と言われて、ボクは一大決心をしました。オヤジに「最近、試合に出してもらってるからアルミポイントのスパイクを買って」とおねだり、お金を握りしめて、いざ難波へ!今はもう無くなりましたが、府立体育館(現BODY MAKERコロシアム)の裏にラグビーショップ「EIGHT」がありました。ここでスパイクを買うと、黒地に黄色のライン、白文字で「EIGHT」のロゴが入ったスパイクケースが貰えました。

 このスパイクケースが一つのステータスだったなぁ〜(ボクだけがそう感じていたのかも…)。初めて履いたアルミポイントのスパイク。「カチャカチャカチャ」の音に少し強くなった気分がしました。

 ボクらの時代は、試合前にスパイクを磨き靴墨を塗って、きれいな白い靴紐がカッコイイとされていましたが、最近は色とりどりのスパイクを履いてピッチを駆け回るラガーばかりです。色がついている部分といえばソール部分、スズキスポーツの「ブルーソール」が代表例でした。最初はミズノの前がポイント4つ後ろが2つのスパイクを買いました。こいつは足の裏が痛くて痛くて辛い思いをしていました。

 当時、アシックスのタイガーラグも流行っていました。これは前に5つのポイント後ろが2つのタイプ。1つポイントが増えるだけで、体重のかかる部分が分散されるので楽だと同級生が言っていたので、2足目は絶対前のポイントが多いタイプにしようと心に決めていました。フランカーから左プロップにコンバートされたのと同時期にスパイクが壊れました。当時の体重は70`を少し超えるぐらい、ルールも90度以上のホイールが禁止になったものの、プッシュの規制がなくスクラムが弱ければトライを奪われる時代。スパイクのポイントが一番多い、前に6つ、後ろ2つのスズキの「ブルーソール」を買って貰いました。足の痛みも無く、気持ちスクラムがパワーアップしたような気がしました。

 この両足で16個ポイントが必要なスパイクにも苦労がありました。もう店舗が無くなりましたが、昔、学校の近くに「プリンススポーツ」という2階建ての大きなスポーツ用品店がありました。覚えている方もいると思います。この「プリンス」にはアシックス・タイガーラグのポイントしか置いていません。

確か700円で14個入り、2つ買う必要がありました。残りのポイントをしっかり管理しておけば7回に一度だけ2つ買えば済むモノですが、結構ムダにしていた気がします。なぜ今回スパイクネタにしたのかというと、タクルがポイントのスパイクが欲しいと言い出したからです。「パパらの頃はブルーソールが人気やったわ」と言うと、「ふ〜ん。チームの一番人気はミズノのサムライやなぁ〜。どれがエエかなぁ」とタクル。まぁレギュラーの座を掴めば考えてやってもイイかな。今はとにかく体を大きくしないとね!

 「そのスパイクあかんでぇ。Nさん、いつのスパイク履いてんの?」。これは、クラブチームに入った時の事。

昔、スパイクの先に「三日月」と呼ばれる滑り止めの部品が付いていました。数年前から禁止になっていると聞き「大阪クラブ大会」前日に応急処置のため、ペンチで引っこ抜いた記憶があります。いろいろ変化しています。

 そうそう、先月ボクは困っている女子高生を助けたのです。
 
 あれは9月中旬の流通科学大学のグラウンド、智翠館vs神戸甲北の練習試合(7分×8)にミサキを迎えがてら行ってきました。3年生は花園ラグビー場で行われる「東西対抗」に向けて、1&2年生は選抜連覇に向けて新チーム初戦に挑みました。この試合、1週間前にかなり厳しい校内合宿を行ったようで女ラグは野戦病院と化していました。2年生に怪我人が多く、1年生にとってはアピールする大チャンス。28期生・ユカちゃんも積極的なアタックを見せていました=写真上

 試合が進むにつれて、1年生FWのあーちゃんに異変がおきました。広島から家族で観戦に訪れたあーちゃんパパがバタバタとピッチサイドを動き回

っていました。「どうしんかなぁ」と思いながらもミサキが出場している3年生主体チームを観戦。そうこうしている内に、tottiさんも愛車目がけてダッシュ!右手にスパイクを持って戻ってきました。「どうしたんですか?」。「あーちゃんのスパイクが壊れた。お父さんのは28センチで大きすぎるみたいで・・・」とtotti。「サイズは?」。「26センチだって」。「あっボク26.5センチです、持ってきましょか」と今度はボクも駐車場への坂道を駆け上がり、ハァーハァー息を切らせてスパイクを取ってきました。『出掛けるときは忘れずに・・・』女ラグおやじにとってスパイクはアメックスカード同様です。

 あーちゃんはボクのスパイクを履き試合を続行=写真右上。そしたらア〜ラ不思議、持ち主の快足?怪足?が乗り移ったかの様にトライを量産しました(笑)!女子高生を助けた、ボクのスパイクやるやん!!人助けって気持ちが良いもんですね。

 この模様はtottiさんもブログで紹介しています→http://blog.livedoor.jp/totti_net_id/archives/67966537.html