第186回 テストマッチレポート by泉佐野のアニキ


超満員の花園ラグビー場。スタンドに岬ラグビーの団員・保護者・コーチ・OGが写っています。わかるかな?

 2013年6月8日、日本代表vsウェールズ代表テストマッチ第1戦。日本ラグビーの歴史的な一日となる準備は整った。

 まずは天候、この時期のウェールズは最高気温20度。サントリーが金星をあげた2001年も高温多湿の日本の気候が追い風となった。「ランニングラグビーにはいい天気だ」とエディー・ジョーンズHCは花園ラグビー場で行われた前日練習後コメントを発した。スーパーラグビーから合流したSH田中史朗選手も「相手は暑さで疲れるはず」と当日の天気が日本にとって有利になる事を期待した。思惑通り、当日は快晴となり気温はグングン上昇した。

 そして、今回のレッドドラゴン(ウェールズ代表の愛称)は若手主体の編成。この試合のスターティングメンバー4人が初キャップ、テストマッチのキャリアは日本代表の方が上回った。最後はもちろんサポーター。この日に試合を行わないなど地元チームに呼びかけた、関西協会の地道な努力が実り花園にはテストマッチ最多となる2万152人が駆けつけた。

 岬ラグビーの団員も、バックスタンドに陣取りキックオフに備えた。カズサ・ハヤト・ソウマの3兄弟は桜のジャージに身を包み、サキノ・ショウジロウはフェイスペイントでテストマッチの雰囲気を楽しんだ。

 バックスタンドでいると人文字がわからなかったのでテレビ放送でチェック。「GO JAPAN 2019」のJの下半分は岬が上げました。→→→

 いよいよキックオフ。

 前半15分、FB五郎丸選手がPGを決め日本が3点を先制。欲しかった先制点を奪い順調に試合を支配し始める。37分にはFLブロードハースト選手がラインアウトからブラインドサイドを突破しインゴール右隅へトライ。

 日本11−6ウェールズ、5点リードで前半を終えた。

 「ひょっとして」の期待がスタンドに充満する。この目の前で40分後、日本ラグビーの歴史に新たな1ページが刻まれる。「日本大金星!」「レッドドラゴン撃破」など職業柄見出しが脳裏を過ぎる。その反面「後半ウェールズは本気でくるやろな」と悲観的な自分がいたのも事実だった。

 後半、日本が掴んだ流れが徐々にウェールズへと傾いた。日本は2分と11分にPGを狙ったが失敗。ウェールズを突き放すことができず、逆にレッドドラゴンの司令塔ビガーが2本PGを成功させ11−12と逆転した。

 23分には、初トライを献上した日本代表。29分、WTB藤田選手が反撃のトライをあげるものの力尽きた・・・

 日本18−22ウェールズ。4点差の敗戦・・・そう簡単には勝たせてくれなかった。これがシックスネーションズ王者の意地、ワールドカップ4強のプライドだ。あす15日、秩父宮ラグビー場に舞台を移しテストマッチ第2戦が行われる。レッドドラゴンは暑さにも慣れ、日本の研究も進み花園で見たチームとは全く違った姿を見せるはず。

 対する我らがジャパンも虎視眈々と番狂わせを狙っている。きのう13日の会見で「いままでなら50点差ぐらいつけられてウェールズが勝っていたが。今回は接戦に持ち込んだ。しかし負けは負け。うれしいわけではない」と金星を逃した悔しさを露にしたエディー・ジョーンズHC。あすの試合で復帰するWTB広瀬俊朗キャプテンも「前回負けたので、今回は勝ち切るという覚悟を持って臨みたい。(日本代表メンバーの)態度、意欲ともに素晴らしい。ただ、コミュニケーションをビルドアップしていきたい。エディーや僕が求める理想にはまだ遠いので、継続していきたい」と意気込みを語った。

 最後に「ウェールズに勝利するための秘訣はない。我々はハードワークするだけだ。でき得るだけのハードワークを実践し、一貫性を持って戦う。今週はいい準備ができた。48時間後の試合が非常に楽しみです」とエディーHC。あしたのテストマッチも楽しみだ。


一番上の写真で見つけられなかった人にヒント。よ〜く見てね!