さて、本題に戻して上にも書いているように「落ちこぼれ軍団の奇跡」はラグビーを描いたTVドラマ「スクールウォーズ」の原作です。それではここで再び20周年記念CDのラグビー雑学コーナーから転載。
スクールウォーズ
School Wars
昭和56年1月7日花園ラグビー場で 第60回全国高校ラグビー選手権大会決勝が大阪工大高と京都代表伏見工業高校の間で戦われていた。この試合はレベルの高い名勝負としていまだに語り継がれているが、終了間際の劇的なトライで7:3と初優勝を決めた伏見工業がそのわずか5シーズン前、昭和50年5月の京都府高校総体で花園高校に0:112で負けたチームであったことはあまり知られていなかった。この記録をまとめたノンフィクションライター馬場信浩氏の「落ちこぼれ軍団の奇跡」が発売され、その本を原作としてTVドラマ「スクールウォーズ」がスタートした。このドラマのおかげで多数のラグビー部員が誕生したことは言うまでもない。
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原作はほとんどノンフィクション。TVドラマも実名を避けてはいるもののかなり原作に忠実なドラマ化をしている。逆に言うとまぁドラマみたいな劇的な優勝であった。 下の写真が実際の優勝シーン。この後、原作の出版とその後のスクールウォーズの放映で「泣き虫先生」は一気に有名になった。 |
ちなみに当時のスタンドオフ平尾はこの後、同志社、神戸製鋼と進み日本代表監督となり、スクラムハーフ高崎は現・伏見工監督として昨年伏見工を全国優勝に導いた。当時の特別コーチであったスティーブ・ジョンソン氏は今、浜松工の監督である。 |
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実は昔からラグビー関係の青春ドラマというのは結構あって、その端緒は東宝の青春学園シリーズなのです。今回インターネットで調べてみました。
ドラマ名 主演 競技 1965年 青春とはなんだ! 夏木陽介 ラグビー 1966年 これが青春だ 竜雷太 サッカー 1967年 でっかい青春 竜雷太 ラグビー 1968年 進め青春 浜畑賢吉 サッカー 1969年 炎の青春 東山敬司 バスケットボール 1972年 とびだせ青春 村野武範 サッカー 1974年 われら青春! 中村雅俊 ラグビー
このようにスターやヒット曲をたくさん生んだこのシリーズも最初はラグビーで始まったのです。私にとっては中学、高校の時期ですから実はスクールウォーズよりも、これらのドラマの方が懐かしさはひとしおです。「でっかい青春」までは白黒番組で、進め青春からカラーになりました。ちなみにこの「青春とはなんだ!」のスポンサーは大正製薬だそうです。いまだにジャパンのスポンサーでもありますよね。
そしていよいよ1981年に大工大vs伏見の試合があり、その年の9月にこの落ちこぼれ軍団の奇跡が出版され、そして待ちに待ったスクールウォーズが1984年からTV放映されます。 主題歌「ヒーロー」がタイトルバックで流れだすともうTVの前に釘付けです。(いまだにこの曲は盛り上がります。YouTubeにいっぱい出てますので、スクールウォーズとかヒーローとか麻倉未稀とかで検索してみてください。) 今から考えてもこのドラマの人気は相当なもので、しかもこれが実話に題材を採っているとあって一気にラグビーの人気は高まりました。 それは岬ラグビーの団員数の変遷を見てもよくわかります。以前も一度出した資料ですが、ご覧ください。↓
ドラマ放映の年から、そして数年間は再放送されたこともあってかなり長く団員数のピーク状態が続きました。岬ラグビーの団員ピークとスクールウォーズの放映時期はぴったり一致するのです。
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