第17回 さらば元木由記雄 by泉佐野のアニキ

日本代表キャップ TOP10

氏名 キャップ 所属
元木由記雄 79 神戸製鋼
伊藤 剛臣※ 62 神戸製鋼
大畑 大介 58 神戸製鋼
小野澤宏時※ 54 サントリー
箕内 拓郎※ 48 NEC
増保 輝則 47 神戸製鋼
薫田 真広 44 東芝府中
桜庭 吉彦 43 新日鐵釜石
松田 努※ 43 東芝府中
10 田沼 広之 42 リコー

※は現役選手(2010年3月26日現在)

■PROFILE■

元木由記雄(もとき・ゆきお)

 1971(昭和46)年8月27日、東大阪市生まれの38歳。大阪・英田(あかだ)中1年生でラグビーを始め→大阪工大高(現常翔学園)→明治大学から神戸製鋼入りして今季で16シーズン。高2、3年で高校日本代表に選ばれ明治大学2年で日本代表入り。ワールドカップは91、95、99、03年の4大会連続出場。日本代表キャップ79は歴代最多。ポジションはCTB。サイズは1b77、92`。

■元木伝説トレーニング■

穴掘って基礎体力作り

 淀川河川敷グラウンドの隅で、毎日、人が入れるほどの穴を掘り日本人離れした強靭な体を作った。

■元木伝説トライ■

怪物パワー炸裂!

 第68回全国高校ラグビー大会、大津高校戦で生まれた。敵陣22bライン付近でSHからの乱れたパスを拾い上げるとイッキに加速。次々襲い掛かるタックラーをはねのけて突進。最後は何人かひきずりながらゴールラインを陥れた。

■第68回全国高校ラグビー大会■

大阪工大高、茗溪学園 両校V

 決勝戦当日の1989年1月7日、昭和天皇崩御のため、決勝戦は中止になり史上初の両校優勝になった。この大会は、茗溪学園スタンドオフ・赤羽が天理戦で見せた3人飛ばしのロングパスが話題になった。
↑↑上の3枚は3月5日付けのスポーツ紙報道。左上が目ん玉(大阪)右上は(東京)その下はスポーツH。↓↓翌日の記者会見を報じる目ん玉(大阪)

 昨年の9月末、岬ラグビースポーツ少年団ホームページの管理、運営新体制が発足しました。11月30日には、ホームページ開設12周年を迎え衣替えを実施、リニューアル企画の目玉として、「コラム・オレにも言わせろ」が12月4日にスタート!以降、今回のコラムで16週間連続更新、丸4カ月が経過、ホームページ運営に携わる者としては、上々のスタートを切ることができたと感じています。第15回コラムでは、団員のお母さんが原稿を寄せてくれました。今後、このコンテンツを続けていく上で、例えば「試合前日、我が家の勝負メシレシピ」、「オトン、オカンから見たミニラグビー」、「トップリーグ観戦記」など、どんな内容でもOKですので、父母の皆様、コーチの方々からの投稿をお待ちしております。

 今回は、僕が担当させていただきます。

 先月28日に行われた日本選手権決勝で三洋電機ワイルドナイツがトヨタ自動車ヴェルブリッツを22対17で破り、見事3連覇を達成。これで国内のラグビーシーズンが終了、ストーブリーグに突入した。サントリーサンゴリアス・清宮監督辞任、早稲田大学・中竹監督退任をはじめとする監督交代、クボタスピアーズ・8トウタイ・ケフ(元豪州代表キャップ60)、コカコーラレッドスパークス・SO淵上宗志(日本代表キャップ5、佐賀工業→関東学院大)、リコーブラックラムズ・LO田沼広之(日本代表キャップ42、湘南学園→日体大)ら名選手が現役を引退。ラグビー界は、新しいシーズンに向けて血を入れ替えている。

 そんな中、今シーズンで現役引退を発表した神戸製鋼・元木由記雄選手は、大阪でラグビーを始めた僕にとっては、一つ年上の我らがスーパースター!このニュースは一番寂しい出来事であり、仕事上では悔いを残す引退報道になってしまった。

 今月4日、僕はアマチュア面担当デスク、仕事中に共同通信社のピーコー(共同通信からニュースが打電される時の開始音、共同通信のニュースに対する業界用語)が鳴る。またまた編集局発のネタですがお付き合いください。

 「♪ピーーーピーコーピーコーピーコー♪共同通信ニュース速報、トップリーグ神戸製鋼の元木選手が引退。記事30行を送信します。」と打電してきた。すかさず、出稿のアマ担当デスクYさんが僕に「元木引退やてぇ〜」と声を上げた。僕は「ピーコー聞きました、7面のカタでイイですかね」と返答した。数分後Yさんが僕の横に来て、「アタマでいった方がエエかなぁ?どう思う?ヨソはドカーンとアタマでやってくるんと違うかなぁ〜」と相談に来た。

 少し迷いながらも僕は「元木引退は、神鋼が選手権で負けた時に、ウチは今季限りと打ってますやん。きょうはコウベに取材に行ってるんですか?」と、Yさんに聞くと「取材に行ってない、写真もない」と難しい顔をしている。「生のコメント無しで原稿を延ばすのは無理があるでしょう?カタでしっかり見出し取りますよ。無理せんでエエんとちゃいますか。明日、会見を開くんでしょ?ドカ〜ンとやってくるのはスポニチぐらいちゃいますか」と伝えると同時に、7面担当者に「元木の顔写真を写真報道局に頼め、元巨人の元木大介とちゃうぞ、神戸製鋼の元木や間違うなよ」。と指示をした後、間髪いれずに見出しは『ラグビーの鉄人 神鋼 元木引退』、脇見出しは『歴代最多79キャップ』や」と指示を出した。

 その日、仕事を終え帰宅し冷静に考えると、「ラグビーの鉄人」なんて代名詞が要らんかったかなぁ〜とか、鉄人と言えば同じ神戸製鋼の伊藤剛臣かなぁ〜とか、僕の中では、「ミスターラグビー」は平尾誠二やし…そやけど、ミスタータイガースは藤村富美男→村山実→田淵幸一→掛布雅之と受け継がれていくモンかなぁ〜それやったら、共同の原稿にあるように、元木は「ミスターラグビー」でよかったんかなぁ〜と頭を過ぎった。

 翌日の結果は、ご覧の通り。スポーツHとウチだけが、そこそこの扱いをしていた(東京目ん玉は共同通信の原稿で破格の扱いをしていましたが・・・)。見出しに関しては、ファーストニュースだっただけに「元木引退」とストレートの方が良かったと個人的に反省。ラグビーのスター選手の節目を気の利いた見出しで飾りたかったなぁ…。