第10回 父母向けラグビー講習会開催中!!by岬ラグビースポーツ少年団団長

 さて、今回は岬ラグビーが行っている父母向けラグビー講習会についてご説明します。以下は父母向けに配布している資料をそのまま転載しました。

 父母会の皆様、平素は団活動にご理解ご協力を頂きありがとうございます。

 父母の皆様には「ミニ・ラグビーとはこんなスポーツなんだ」という事をご理解頂くと同時に子供達と触れ合い、一緒に汗を流してもらいたいと思っています。日ごろの運動不足解消の為にも是非一度グラウンドに御越し頂いて、一緒にラグビーを楽しみませんか。
一昨年の岬ラグビーミニカーニバルの模様。父子対決あり姉弟対決ありと楽しい1日でした。

ラグビーを知ろう

 @ラグビーとは
T. ラグビーというスポーツは、名前を聞いただけで野蛮な粗野な者の代表のような感じを持たれ、危険と思っておられる方も多いと思います。逆に言えば、それだけ魅力のあるスポーツであり、ゲームも人間の本能に最も近い動きをし、又それを阻止する為のタックル、FW(フォワード)、バックスの別なくボールを持って走り、得点出来る所に引きつけられるのではないでしょうか。

U. ラグビーの起源は、英国のラグビーという都市にあるRugby School(有名な私立校、他にイートン、ハーローなど)で1823年(約190年前)William Webb Ellis(当時16歳)という少年がフットボール(今のサッカーやラグビーの先祖にあたる)の試合中、ボールを持って走ったことを起りとし、今でもRugby校の構内の石壁に石碑がはめ込まれていて、「この石碑は1823年、当時プレーされていたフットボールのルールを無視し、初めてボールを腕に持って走った事により、ラグビーゲームの独特の形を創作したWilliam Webb Ellisの功績を記念したものである」と書かれています。

 その後、1846年に正式にRugby Footballとして名称が制定され、1871年英国でRUGBY FOOTBALL UNIONが結成されました。(単にTHE UNIONといえば英国を指します。他の国は国名が入ります)トライの語源は、ご存知の通り「試しにやってみる。試みる」という意味ですが、1850〜60年代に英国でクラブチームが誕生し、試合を行う様になり、得点方法は、ゴールキックのみとされ、ゴールキックを得る為に相手ゴールまでボールを手で持って行ってタッチダウンした後に「ゴールを狙え」と観客が指示する呼び声が、トライ(やって見ろ!!)という声であり、これが今のトライ(得点の方法)になったと言われています。

V. ラグビーの基本原理近代ラグビーに於けるチームの最大の目的は、トライを取る為にチーム、及び個人が何をすべきかであり、これは15人のラグビーでも、我々のミニ・ラグビー(5人制、7人制、9人制)でも同じです。

Q.「ボールが味方にある時に、チームは何をしなければならないか?」
Q.「相手側にボールがあるとき、チームは何をすべきか?」
この問いかけに答えるのがラグビーの四要素と言われる以下の項目です。

 ラグビーの四要素とは、1,.前進(Go Forward),、2.サポート(Support)、3.継続(Continuity)、4.プレッシャー(Pressure)であり、ラグビープレー中全面的に行わなければならないことです。アタック(攻撃)ディフェンス(防御)にかかわらず、ランニング、スクラム、キック、モール、ラック、ラインアウト、タックルに於いて全て適用されるものです。

◎前進・・・単にボールを持った1人のプレーヤーが前へ行くだけでなく、チーム全体が意識を持ってやらねばならない事である。トライを取る為に相手ゴールラインへ向かって行く事は、前へ行く事が最も重要であり、横へ行ったり、後ろへ下がったり、タッチラインへ向かっていたのでは効果的ラグビーといえず、前へ行く事で、他の者のサポートがやりやすくなる。

◎サポート・・試合中プレーヤーがボールを保持している時間は、ほんの数秒間であり長くても10〜15秒だという事を知っているだろうか。ボールを持っていない、他のプレーヤー全員は何をすべきか。ボールのある所へ早く走り寄るか、次に自分がボールをもらえる位置へすばやく行くか、この為の心構え、技能、体力が、サポートである。多くのプレーヤーがパスされた後の仕事量が全くない。単純に言って「走っていない」のである。

◎継続・・・常に前へ行き、サポートされる事で味方がボールを持ち続けていくなら、味方は常にアタックをし、相手にプレッシャーをかけている事になる。

◎プレッシャー・・・前に行き、相手が後退する。タックルに来てもサポートしているプレーヤーにパスをする。モール、ラック、になってもボールは味方の側にある。これらは全て相手に対して圧力をかけている状態である。相手にボールがあっても、素早くタックルに行く、押す、早く集まる、前へ出る事で、相手にミスを起こさせて味方側へボールを再び奪い取る事もプレッシャーである。

 これらの基本原理を理解して、走る、当たる、押すといったプレーが出来る為のハンドリング、キック、ラック、モール、タックル、ラインアウトの個人テクニックをマスターさせ、ゲームの中で生かせる技能(スキル)を身につけさせることが重要である。

◎練習に於いて・・・相手のいない状況でパスをしたり、受けたり、キックしたり、モール、ラックを行ったり、ラインアウトのボール獲得は割合いうまくいくものであるが、これは、ゲーム中で生かされる技能ではない。パスを例に取れば、単にAからBへボールをパスするといった動作に過ぎず、前から相手がタックルに来れば、捕まるか落とすかもしれない。基本技術として熟練させる事は勿論の事であるが、ゲームする以上、プレッシャーを受けた状況でいかされる、使う事の出来るプレーと判断力が技能(スキル)である事を知ってほしい。「どうやってパスをするか、という事よりも、いつパスをするかを教える事が大事であり」最も難しい点でもあるが、相手をよく見て相手を抜いたり、素早いパスをする為に,練習時にもプレッシャーのかかった状況でやるべきである。

 Aルールと用語

 プレーをする時、当然ルールを知らねばなりません。特にどんな事をしたらいけないのかという事を知らなければいいプレーは出来ませんし、反則をおかす事で味方に対して不利になります。まず、主な用語を説明いたします。(Pはペナルティー)
1、アドバンテージ・ルール
 プレーヤーが反則を犯しても、相手側に有利に展開し、前進又は攻撃が続けられているならその反則をとらないで続行する。
2、アンウィルフル・オフサイド
 反則をする意思がないのに、たまたま反則をした行為(ボールを持ったプレーヤーが前にいる味方に当たったりする行為)
3、アーリータックル
 ボールをまだ持っていないプレーヤーにタックルする(P)
4、オブストラクション
 ボールを持っていない相手側のプレーヤーを妨害する行為(P)
5、オフサイド
 味方のボールより前にとどまっている全てのプレーヤーはプレーの出来ないサイドにいる。ラグビーでは最も厳しいルールである。(P)ラグビーはオフサイドをしな い事で成立している。
6、オンサイド
 プレーヤーがボールをプレー出来る状態である事。
7、オーバーザトップ
 地上にあるボールに向かってプレーするのではなく単に防御の為モール、ラックに倒れこむこと(P)
8、キック・オフ
 ゲームの開始、又は得点後のゲーム開始のキックの事
9、ゲイン・ライン
 スクラム・ラック・モールに於いて、その中央の線を想定した線ラグビーはトライを取る事が最終目的であるが、第一次攻撃でゲインラインの突破が最大の課題であ る。ここに前進の意味がある。
10、ゴール・キック
 トライが認められた後、ゴールポストに向かってキックし、バーを越えたら2点が追加される。また、ペナルティーキックの時もゴールキックが与えられ入れば3点 となる。
11、スクラム
 スクラムを組むにあたり、レフリー・コーチは「フットポジション」「アイコンタクト」「クラウチ」「タッチ」「ポーズ」「エンゲージ」のキーワードを意識して 互いにしっかりバインドさせる。
12、スクラム・オフサイドライン
 スクラム内にいる味方のプレーヤーの一番後方の足を通りゴールラインに平行した線。スクラムハーフ役を除きボールがスクラム内にある間はスクラムに参加してい ないプレーヤーがこの線の前方にとどまったり、この線を越えて片足でも前方に出すとオフサイドとしてペナルティー。 ミニ・ラグビーの場合この線はスクラム最後尾から3m下がった線。
13、スティッフアームタックル
 ボールを持って攻撃して来る相手の首に腕を引っ掛けるタックル。(P)
14、スロー・フォワード
 持っているボールを自分より前方へ投げたり、パスしたりする行為(軽い反則)。
15、タックル
 ボールを持っているプレーヤーが相手側のプレーヤーに捕まえられたまま、地上に倒れるか、または持っているボールが地上に触れること。必ず相手に捕まえられて いる状態である事。
16、タップキック
 ボールを地面に置き、いずれかの方向にボールを明確に蹴り進める(手の中のボールをチョンと蹴る事ではない)ペナルティーにおいて反則を犯さなかった側はタッ プキックによってプレーを再開、その際相手側は反則のあった地点から5m下がる。
17、チャージ
   相手側がボールをキックした時、阻止する動作。
18、テスト・マッチ
 国を代表するチームが対戦するゲーム。
19、ドロップ・キック
 プレーヤーが持っているボールを地上に落として、そのボールが跳ね返ってきた瞬間足で蹴る事。
20、トライ
 プレーヤーが持っているボールを相手側のインゴールに手でつけるか相手側のインゴールにあるボールを手で押さえる事により成立する。得点は5点。
21、ノック・オン
 プレーヤがパス又はキックされたボールや地上にあるボールを取りそこなって前方へ落とすか進めた時の反則(軽い反則でスクラム)。
22、ノーサイド
 ゲームの終了、今まで敵味方に分かれて戦ってきたが、終わればお互いが仲間であり、友人であるという意味でサイドがなくなったということを表す、ラグビー独特 の表現である。(現在海外ではフルタイムと言っている)ノーサイド後シャワーを浴び軽くビール等を飲み試合を振り返り談笑する事をアフターマッチファンクション という。
23、ノットリリースザボール
 タックルされたプレーヤーが直ちにパスをするかボールから手を離さずにいて、次のプレーの妨害をしている行為(P)。
24、ノット・ストレート
 ラインアウトに於いて正しくまっすぐにボールを投入しないと反則になる。
25、ハイタックル
 肩より上へのタックル(P)。
26、バッキング・アップ
 味方の防御を固める為に味方のプレーヤーが、後方へ下がる一連の動き。
27、バインディング
 スクラム、又はラックに加わっているプレーヤーが、片手又は両手で味方同士互いにしっかりと組み合う事。しっかり組み合っているから押すことが出来る。
28、ハンドリング
 プレーヤーがボールを扱う事全てを言う(パス、レシーブ、モール、ラックでのボール保持)。
29、パス
 プレーヤーが自分の持っているボールを、よりよい攻撃に移るために自分より後ろにいる味方に正確に渡す動作。
30、ピックアップ
 スクラム又はラックの中でボールを手で触れたり、拾い上げる動作(P)。地上にあるボールをひろい上げる動作もピックアップという。
31、フォローアップ
 味方の攻撃に協力する為プレーヤーがボールのあるところへ動く事、サポートと同じ。
32、プレースキック
 キックオフ又はペナルティーキックの時、地上にボールを立てて足で蹴る事。
33、ペナルティー
 攻撃、防御を問わず不正な行為、危険なタックル、ラフプレーに対し反則を取る意。
34、モール
 ボールを持ったプレーヤーをはさんで、双方1人又はそれ以上のプレーヤーが立ったまま身体を密着させて押し合う状態。
35、ラインアウト
 ボールを持ったプレーヤーがタッチラインを踏むか、触れるか、押し出されるか、キックしたボールがタッチラインを超えた時に、ゲーム再会のため両方のFWが平行 に並んでその真ん中にボール投入を行う。スローインはボールを持っていなかった方となる。
36、ラック
 地上にあるボールを挟んで、双方1人又はそれ以上のプレーヤーが立ったまま身体を密着させて押し合う状態。
37、レート・タックル
 アーリータックルの反対で、ボールをキックした、又はパスをした後のプレーヤーにタックルする事で、無防備の者に故意にタックルをする事は危険であり反則、時 に退場となる(シンビン)。
38、シンビン
 不行跡、不正のプレー、危険なプレーあるいは反則を繰り返したプレーヤーにペナルティーを科し一時的に10分間退場させる。
39、ロールアウェイ
 ボールから転退する意、ボールと共に地上に横たわっているプレーヤーの取るべき動作でタックルされたプレーヤー、タックルしたプレーヤーは同じ動作が要求され る。これに反する時ノットロールアウェイの反則(P)
 以上がラグビーの主だった要素とルールです。残る父母向け練習は、21・28日と来月7日の3回しかありませんが、グラウンドで思いっきり汗をかきましょう。プレーすることで、きっとラグビーが今以上に面白くなるはずです。3月21日に予定しております恒例の岬ミニカーニバルでの親子親善試合では子供達とふれあいそして成長を実感してもらいたいと思っております。